現代の忙しい生活の中で、自分自身と向き合う時間を見つけることは難しいかもしれません。
しかし、「マインドフルネス」を実践することはウェルネスライフに取り組む中でも非常に重要な要素です。マインドフルネスによって心の平穏を取り戻し、日常のストレスから解放される道を見つけることができます。
この記事では、マインドフルネス瞑想の基本原則から始めて、その科学的な効果、実際の瞑想方法、そして日常生活で実践方法について、具体的に解説します。
また、「マインドフルネス」と「瞑想」という言葉は、解釈の仕方がひとそれぞれのため、時に同義で語られたりすることもありますが、今回は私の解釈でその関連性についてもご説明していきたいと思います。
マインドフルネスとは何か?
まずは「マインドフルネス」という言葉の意味を理解しましょう。
基本的な意味は、「今、この瞬間起きていることに気づき、集中している状態」です。
そして何かに集中するということは、「自動思考や雑念のない状態」も意味します。
自動思考とは将来への不安や過去の出来事の後悔など、ネガティブな思考が勝手に浮かんできてしまうことです。
これさえ理解していれば応用が可能だと思います。
瞑想とは何か?
そして「瞑想」という言葉ですが、ルーツは仏教などの宗教で「無」の状態になることを目指す修行として行われていたものと言われています。
しかし現在のビジネスや教養の場で用いられる「瞑想」という言葉自体は宗教的な意味とは切り離されていると思って良いでしょう。
仏教の「瞑想」においても「無」を目指すために呼吸に意識を集中し、それ以外の雑念を払いますが、これは結果的に何かに意識を集中していて、自動思考や雑念のない状態のマインドフルネスと同じ状態だと言えます。
そのため、
「マインドフルネス=瞑想」
という認識が一部で広まってしまったのではないかと思います。
宗教的な意味から切り離された「瞑想」には様々なやり方がありますが、単に「瞑想」というと、やはりこの「呼吸瞑想」をイメージする方が多いでしょう。
ちなみに仏教における瞑想で坐禅を組むのは、長時間座っていても疲れないようにするためだそうです。
マインドフルネス瞑想とは何か?
そしていちばん厄介なのが「マインドフルネス瞑想」という言葉です。
これを分解しておさらいすると、「マインドフルネス」と「瞑想」はそれぞれ以下の意味を持つ言葉です。
もともとは仏教で「無」の状態を目指すために呼吸に集中するという行為。
現在のビジネスや教養の場で用いられる際は宗教的な意味はもたず、何かに集中する行為全般に対して使われる。
これを踏まえて「マインドフルネス瞑想」の意味を改めて考えると、
「マインドフルネスの状態を目指すための瞑想がマインドフルネス瞑想」
といえると思います。
つまり、厳密に区別するとすれば、
宗教家の方が「無」を目指すために行うのが「瞑想」
宗教などとは切り離されたビジネスや教養、日常生活の場で、その効果を得るためにマインドフルネスの状態を目指して行う瞑想は「マインドフルネス瞑想」
という認識で納得できるかと思います。
しかし実際には、目的や状態から言えば「マインドフルネス瞑想」であっても、単に「瞑想」と呼ばれることが多いと思います。
宗教的な要素がない場での「瞑想」は、ほとんど「マインドフルネス瞑想」のことだと思ってよいでしょう。
会話の最中で「瞑想」という言葉が出てきて気になる場合は、一応お相手に確認する方がいいかもしれません。
マインドフルネス瞑想の効果
前項で解説させていただいたように、「瞑想」と「マインドフルネス瞑想」は目的が異なるだけで同じ様な行為をしているため、得られる効果もほぼ同じです。
ウェルネスライフを実践する上では「マインドフルネス瞑想」という言葉の方が目的に合っていますので、以後単に「瞑想」という言葉を使う時にはこちらをメインに解説を進めていきますが、その効果は以下のようなものがあります。
- リラックスできる
- ストレスを軽減できる
- 集中力が高まる
- 幸福感が高まる
- 痛みを解消する
- 脳が疲れにくくなる
- 不安や恐怖を感じにくくなる
- 感情のコントロールが上手くなる
- 忍耐強くなる
- 他者への共感力が高まる
これらは脳の状態を計測したりして、科学的にも根拠のある効果です。
マインドフルネス瞑想をすればこれだけのメリットがあると知れば、やらない手はないと思えてきませんか?
取り組みやすいマインドフルネス瞑想
「でもどうやればいいのか分からない…」
「なんか難しそう…」
と思ってしまったとしても大丈夫です。
ここでは簡単に取り組めて、継続しやすいおすすめの方法をお伝えします。
全てのやり方で共通するポイントは「ただ、今起きていることを観察する」という認識ですので、これを踏まえて取り組みましょう。
- 呼吸瞑想
- 歩行瞑想
- 感情の瞑想
- あらゆることに取り入れられる瞑想
呼吸瞑想
やはり、瞑想においてもっともスタンダードと言えるのはこの「呼吸瞑想」でしょう。
取り組む時に必ずしも坐禅を組む必要はありません。
立ったままでもいいですし、椅子に座っていても構いませんので、リラックスできる体勢で行いましょう。
姿勢を整えたら、まずは目をつむり、鼻からゆっくり息を吸います。
すると鼻の奥や喉に涼しい空気が流れるのを感じることができると思います。
そして息を吐き出す時にはさきほどよりも少しぬるい空気が流れるのを感じられると思います。
他の一切の感情や雑念を排除して、ただこの空気が流れている事実だけを観察してください。
できれば毎日継続していくことで効果が現れやすいので、慣れないうちは1分からでも始めてみて、徐々に時間を長くして10〜20分くらいできるようになるといいでしょう。
部屋の空調や冷蔵庫の音などの生活音に気を取られることもあると思いますが、また呼吸に注意を向け直し、観察をすれば大丈夫です。
科学的には、それた注意をまた戻す時に脳が鍛えられるそうですので、継続していけば注意がそれる頻度も徐々に少なくなってきます。
呼吸瞑想の際、空気の流れよりも肺に空気が入っていく感覚のほうが感じやすい方は、そちらに意識を向けてもいいでしょう。
歩行瞑想
次におすすめなのがこの「歩行瞑想」です。
メンタリストDaiGoさんもおすすめしているやり方ですね。
基本的なやり方としては歩いている時に、足の裏やかかとが床や地面から離れたり着いたりする感覚などに意識を向けて観察します。ちなみに目を瞑る必要もありません。
できればゆっくりやったほうが効果が高いので、部屋の中でゆっくり行うのがいいですが、散歩中などに行っても効果があります。
その際は車や人通りの少ない安全な場所で行うようにしましょう。
あまりに瞑想に集中しすぎると、危険から身を守れない恐れもありますので^^;
感情の瞑想
もうひとつおすすめのマインドフルネス瞑想があります。
それが「感情の瞑想」です。
簡単にいうと、自分の感情を観察するということです。
例えばイライラしているときに、「自分は今イライラしている」ということに気づき、それを観察するのです。
焦っている時には「自分が焦っている」ことに気づき、それを感情抜きにしてただ観察します。
これはいわゆるメタ認知という、自分を客観的に見るテクニックですが、何かに気づき、集中するという点で瞑想のひとつと言えます。
この瞑想は即効性もあり、イライラした時や焦っている時に冷静になれる効果があります。
また、継続することで感情コントロールが上手くなり、いつも冷静でいられるため正しい判断ができるなど、メリットだらけなので、感情の瞑想は本当におすすめです。
あらゆることに取り入れられる瞑想
気づいた方もいらっしゃるかも知れませんが、「瞑想」という行為が「今起きている何かに気づき、それに集中すること」だとすると、実は日常生活のあらゆることに瞑想を取り入れることができます。
たとえばコーヒーをドリップする時には、ケトルからお湯を注ぐことに集中したり、コーヒーの香りに集中することで瞑想の効果を得られます。
他にも食事をする際にその味や食感を味わうことに集中することやトイレ掃除するときにピカピカに磨くことに集中することでも瞑想の効果があります。
自分の日常生活の中で取り入れやすい方法で瞑想するのがいいでしょう。
まとめ:マインドフルネス瞑想をする上でのポイント
マインドフルネス瞑想に取り組む際のポイントは以下の通りです。
- 自動思考や雑念が無意識に出てきてしまったら、今している行為を観察することに意識を戻す
- 最初は瞑想を行う時間は特に決めず、行えるタイミングで行えばよい
- 習慣化して継続する
マインドフルネス瞑想は習慣化して継続することでその効果を高めることができます。
前項で紹介したマインドフルネス瞑想のやり方は簡単なものばかりですが、継続するということがいちばんのハードルとなります。
そのため最初のうちの取り組み方としては、特に時間を決めず、何か毎日の日常生活の行為の中で、
「これに集中できそうだな」
と思った際に取り組むといいかと思います。
慣れてきたら毎朝10分呼吸瞑想をするなど、取り組む時間帯も含め習慣化していけば効果も高まっていきます。
また、マインドフルネス瞑想の効果を再確認することでモチベーションもあがり、継続しやすくなりますので、試してもらえると嬉しいです。
マインドフルネス瞑想を会得して、より豊かなウェルネスライフを目指しましょう!
コメント